| 「絶対に成功する 中国ITビジネス」 飯田哲郎 著 B&Tブックス 日刊工業新聞社
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by 経済産業省 地域経済部長 楠田 昭二 |
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筆者の飯田哲郎氏は東洋システム椛纒\取締役社長であり、TAMA産業活性化協会理事・国際交流委員長、TAMA・TL 研究成果評価委員等の要職もこなす。もともと文科系であった筆者だが、GPSを利用したシステムで事業できないかと考え、遂に2002年3月に工学修士まで取得。日本に欠けているのは、時代認識と、それに立ち向かおうとするエネルギーだという。 本書のタイトルも筆者によれば当初は「失敗談 中国ITビジネス」として準備していたそうだが、版元の強い意向で現在の「絶対に成功する 中国ITビジネス」に変えられてしまい、自身としては傲慢なタイトルになったと謙遜されている。事実、中国での最初のビジネスはほろ苦かったという。筆者はこの経験を通じ、「焦ってはいけない。確実に戦力になる人を、確実な人から紹介を受けて、十分に会社に仕事を納得してもらってから雇うというのが、遠回りではあるが中国人を使う最良の方法だ」と思ったという。また、感に頼る即断即決は墓穴を掘るという。筆者の中国での事業における失敗経験では、実害がなかったもののかなりの疲労は残ったという。このような失敗も重ねながら、中国への進出を果たし、現在、西安のソフトウェア・パークに拠点を持つに至っている。本書は同社がどのようにして中国ソフトウェア市場で地歩を築き得たのかをテーマとしている。 筆者は、社名の「東洋システム」にはこだわりがあるという。25歳のとき会社を創業したが、中国やインドと交流するような会社にしたい、21世紀には東洋の時代になるとの思いがあったからという。筆者は早くから中国のソフトウェア開発力に注目、現に中国における“メディア革命”は爆発的な勢いで、携帯電話の加入者は既に日本を超え、2005年には4億台との予測もあるようだ。中国との間でさまざまなビジネスを行い、試行錯誤の連続で、筆者として損得勘定でいえば必ずしもプラスになっているとは言えないという。しかし、お金に換えがたい経験もしてきたと強調する。何よりも大きかったことは、信用にたる中国人と友好な関係が築けたことだという。会社を創った当初から中国に興味を持っていたが、筆者はさまざまな機会を通じて中国の情報を入手し、セミナーや交流会にも出席して中国人との親交を深める努力もしてきた。居酒屋で一緒に飲んだりもした。しかし、実際に中国人の優秀さに触れたのは、87年に2人の中国人留学生をアルバイトで雇った時だった。この時、筆者は「中国人は根性がある。優秀な人材は並外れて優秀だ」と確信した。もちろん、それが、これから本格展開しようとする中国でのソフトウェアビジネスの発端になるとは、その時点では夢にも思わなかったが・・。しかし、「縁」は縁を呼び、留学生のネットワークは広がり、現在に至ったという。 同社の主力事業であるソフトウェア開発でも空洞化が問題になってきているようだ。中国の強みは人件費が日本人ソフト開発者の約半分ですむことにあり、中国に進出している日本のソフト開発企業の狙いも低コストでの開発体制確立を目論んでいるようだ。ここに筆者は、日本のソフト業界でも、中国をうまく利用できる企業と、そうでない企業との格差は広がると考えている。そして中国の潜在的実力を評価し、それを効率的に経営システムに組み込んでいく「新しいビジネスモデル」の構築が求められていると考えている。 |
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